内装・設備工事業(調査対象期間は年商1億円超)|税務調査をきっかけにご相談。20年前の消費税の届出が有効なまま放置されていた

佐久間 元気

佐久間 元気

代表 / 税理士・公認会計士

税務調査|消費税の届出|20年前の届出がまだ効いていた

※特定を避けるため、一部の情報・数値を調整しています。(2026年7月時点)

この事例の要点

BEFORE

2003年に提出した消費税簡易課税選択届出書が、取りやめの手続きをしないまま20年以上有効な状態が続いていた。会社も歴代の関与者も気づいていない

AFTER

届出の件以外に追加の指摘はなく、追加納税は約15万円にとどまった。届出の状態が現在の実態と一致し、翌期以降は正しい課税方式で申告できる状態に

20年放置された届出 → 税務調査で発覚 → 修正申告と届出の正常化

NOMERAがしたこと

調査での指摘を受けて修正申告を作成し提出。あわせて過去の届出を洗い出し、簡易課税の取りやめ申請と青色申告の申請を提出

項目 内容
業種/事業モデル 内装・設備工事業(社歴20年以上の法人)
規模 税務調査の対象期間は年商1億円超
会計ソフト マネーフォワード
相談のきっかけ 税務調査が入ったことをきっかけにご相談をいただき、調査への対応から関与を開始
主な施策 修正申告の作成・提出/過去に提出した届出書の洗い出し/簡易課税の取りやめ申請と青色申告の申請
成果 届出の件以外に追加の指摘はなく、追加納税は約15万円にとどまった。届出の状態も実態に合わせて正常化

この事例の要約(3文)

税務調査が入ったことをきっかけにご相談をいただき、調査への対応から関与を開始した案件。調査の過程で、2003年に提出された消費税簡易課税選択届出書が、取りやめの手続きをされないまま20年以上有効な状態であることが判明した。届出が有効である以上争う余地はないため早期に受け入れ、見解の分かれる他の論点に交渉の力を寄せた結果、届出の件以外に追加の指摘はなく、追加納税は約15万円にとどまった。あわせて過去に提出された届出書を洗い出し、簡易課税の取りやめ申請と青色申告の申請を行って、届出の状態を現在の実態に一致させた。

相談前に起きていたこと

税務調査が入ったことをきっかけに、ご相談をいただいた。 調査への対応から関与を開始し、過去の申告内容の確認に同席することになった。

その過程で、会社も歴代の関与者も認識していなかった届出書の存在が明らかになった。2003年に提出された消費税簡易課税選択届出書である。届出は取りやめの手続きをしない限り有効なままで、20年以上その状態が続いていた。

何が原因だったか

届出書には「出したら終わり」のものと「出しっぱなしだと効力が残る」ものがある、という区別が引き継がれてこなかったことです。

消費税の課税方式の選択は後者で、事業の実態が変わっても、取りやめの届出を出さない限り自動的には切り替わりません。

そして関与者が交代するたびに、過去の届出を確認する機会が失われていきます。引継ぎで渡されるのは直近の決算書や元帳が中心で、20年前の届出書の控えまでは含まれないことが多いからです。

NOMERAが変えたこと

指摘を受けた時点で、まず争える論点かどうかを切り分けた。届出が有効である以上、その課税方式で計算するのは法律上のルールで判断の余地がない。ここを早めに受け入れ、見解の分かれる他の論点に交渉の力を寄せた。

そのうえで修正申告を作成し直して提出した。税務調査対象期間の差額は約15万円。届出が有効だった以上、直近の決算期の消費税も同じ方式で計算し直す必要があり、あわせて対応した。

さらに、同じことが二度起きないよう、過去に提出された届出書を洗い出した。そのうえで消費税簡易課税の取りやめ申請と、青色申告の申請を提出し、届出の状態を現在の事業実態に一致させた。

調査で預かった資料は返送し、調査対象期間の資料は当面廃棄しないよう伝えた。

解決したこと(事実)

  • 追加の税負担を最小限に押さえた。 届出の件以外に追加の指摘や納税はなく、税務調査対象期間の追加納税は約15万円にとどまった。
  • 20年以上放置されていた届出を特定し、修正申告という正規の手続きで処理した。
  • 届出の状態を実態に一致させた。 簡易課税の取りやめ申請と青色申告の申請を提出し、翌期以降は正しい課税方式で申告できる状態にした。
  • 争う論点と争わない論点を切り分けた。 法律上判断の余地がない部分は早期に受け入れ、交渉の余地がある部分に労力を寄せた。
  • 調査で預けた資料を回収し、保存期間の考え方を整理した。

同じ状況の方へ

社歴が長い会社ほど、過去に誰かが出した届出書が、いまも効いている可能性があります。確認は2つです。消費税の課税方式について、いま自社がどちらを選択している状態か、届出書の控えで答えられますか。 そして過去に提出した届出書の控えが、一式そろって手元にありますか。 どちらも出てこないなら、税務署で閲覧請求して確認しておく価値があります。税理士を変えるタイミングは、これを洗い出す好機です。

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この事例に関するFAQ

Q. 届出書の控えが手元にない場合、どう確認すればよいですか? 税務署で申告書等の閲覧請求ができます。提出済みの届出書を確認できるので、社歴が長い会社や、関与者が何度か変わっている会社は一度確認しておくと安全です。

Q. 簡易課税の選択は、いつでもやめられますか? 取りやめの届出書を、やめたい課税期間の開始日の前日までに提出する必要があります。また、選択後2年間は継続適用が原則です。期が始まってからでは間に合わないため、事前の確認が要ります。

Q. 税務調査で指摘されたら、すべて受け入れるしかないのですか? 法律で明確に決まっている部分は争う余地がありませんが、見解が分かれる論点は交渉の対象になります。どちらに該当するかを切り分けることが実務上の要点です。

ご相談について

NOMERAは、受託開発・SES・広告・ECなどデジタル領域の企業に特化した、東京・西新宿の会計事務所です。オンラインで全国対応しています。

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内容は掲載時点の制度・実務に基づきます。制度改正があった記事は更新日を改めて記載します。
佐久間 元気

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佐久間 元気

代表 / 税理士・公認会計士

公認会計士試験合格後、PwCを経てNOMERA会計事務所を設立。月次の数字を経営判断につなげ、税務・労務・法務・融資までを一つの窓口で整理する体制を設計

税理士登録番号:149427 / 公認会計士登録番号:043719

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