動画制作・マーケティング支援(創業期)|法人成り直後に公庫から500万円を満額、翌期に信用金庫から1,000万円

佐久間 元気

佐久間 元気

代表 / 税理士・公認会計士

創業期|融資|融資の結果は申し込む前に決まる

※特定を避けるため、一部の情報・数値を調整しています。(2026年7月時点)

この事例の要点

BEFORE

法人成りしたばかりで実績が短く、代表個人の借入も残っていた。案件によっては広告費を先に立て替える必要があり、手元資金を厚くしたかった

AFTER

1回目は公庫から500万円を満額(7年・元金据置6か月・無担保・連帯保証人なし)、2回目は信用金庫から1,000万円

信用情報の事前確認 → 公庫500万円 → 制度の壁 → 信用金庫1,000万円

NOMERAがしたこと

申込前に信用情報を取得して残高を整理/資金使途を積み上げで説明できる形に/制度の該当可否を先に切り分けて別の枠組みへ/経営者保証を外すために役員貸付金を精算

項目 内容
業種/事業モデル 動画制作・マーケティング支援(創業期・代表1名+外注)
規模 法人成り直後。個人事業時代の売上は月によって大きく振れていた
会計ソフト マネーフォワード
相談のきっかけ 法人成り直後で運転資金を確保したいが、何から手をつければよいか分からない
主な施策 申込前の信用情報の確認と残高整理/資金使途を積み上げた事業計画書/制度の該当可否の切り分け/役員貸付金の精算
成果 公庫から500万円を満額(7年・元金据置6か月・無担保・連帯保証人なし)、翌期に信用金庫から1,000万円

この事例の要約(3文)

個人事業から法人成りした直後で、実績が短く代表個人の借入も残っている状態から、運転資金の調達に取り組んだ。申込前に信用情報機関で本人の信用情報を取得して残高を整理し、資金使途を積み上げた事業計画書を用意して日本政策金融公庫に申し込み、500万円を満額・無担保・連帯保証人なしで調達した。

翌期の2回目では申し込んだ先の信用金庫で案内された制度が、法人成りのケースは対象外だったため別の枠組みに切り替え、経営者保証の要件として役員貸付金を精算したうえで、信用金庫から1,000万円を調達した。

相談前に起きていたこと

法人を作ったばかりで、決算を1期も終えていない。個人事業時代の売上は月によって大きく振れており、法人としての実績はまだない。手元資金も厚くなく、案件によっては広告費を先に立て替える必要があった。何をどう準備すれば融資が通るのか、判断の基準がない状態だった。

何が原因だったか

融資の可否を分ける要素が、申込前に見えていなかったことです。

実績の長さだけでなく、代表個人の信用情報、資金使途の説明、制度の該当可否、決算書に載る役員貸付金——どれも申込前なら手を打てます。

問題は、これらが「申込後には動かせない」ことが知られていないことです。審査が始まってから信用情報を整理しても反映には間に合わず、決算書は提出済みです。順番を知らないと、手を打てたはずのものも間に合わなくなります。

NOMERAが変えたこと

申込前に、代表個人の信用情報を確認した。 指定信用情報機関で本人が開示請求し、内容を確認。消費者金融の残高が残っていたため、申込前に一括返済したうえで、完済済みである旨を金融機関へ口頭で補足する段取りにした。

信用情報への反映のタイミングは信用情報機関や登録する会社によって異なるため、書面が追いつかない前提で説明の仕方まで決めておく。

資金使途を積み上げで説明できる形にした。 「運転資金」と一言で書くのではなく、諸経費の3か月分に相当する金額であること、加えて外注費や広告費を先に支払う案件が増えていることを、金額の裏づけとともに示した。「運転資金が多くないか」と聞かれたときに答えられる状態にしてから提出している。

2回目では、制度の該当可否を先に切り分けた。 申し込んだ先の信用金庫では、案内された創業関連の制度が「事業を営んでいない個人が事業を立ち上げた場合」を対象としており、個人事業から法人成りしたケースは対象外となった(制度の要件や取扱いは金融機関・自治体によって異なる)。

制度に固執せず別の枠組みへ切り替える判断をし、あわせて経営者保証を外す方向で準備した。

経営者保証の要件として、役員貸付金を精算した。 決算書に役員貸付金が残っていると保証を外しにくいため、中身を分解した。個人のクレジットカードで支払っていた交通費・宿泊費・広告費など本来は会社の経費であるものを貸付金から振り替え、残った分は決算のタイミングで実際に精算する形を取った。

解決したこと(事実)

  • 1回目:公庫から500万円を満額調達。 返済期間7年、元金据置6か月、無担保、連帯保証人を不要とする制度を利用。
  • 2回目:信用金庫から1,000万円を調達。 制度の該当可否で一度つまずいたが、枠組みを切り替えて通した。
  • 申込前に信用情報を整理した。 消費者金融の残高を完済してから申し込み、説明の順序まで用意した。
  • 役員貸付金を精算した。 本来経費であるものを振り替え、残りは決算時に精算。

同じ状況の方へ

申込前に、2つの資料を手元に揃えてください。

① 信用情報の開示報告書。 指定信用情報機関にご本人が開示請求し、何の残高がいくら残っているかを見ます。残高があれば完済を検討しますが、完済してもすぐ反映されるとは限らないので、早めに取るほど選択肢が残ります。

② 決算書(または直近の試算表)の貸借対照表。 会社から代表に出ているお金がないかを見ます。科目名は事務所によって違うので、税理士には「会社から代表に出ているお金はいまいくらですか」と聞いてください。

どちらも申込前なら手を打てますが、審査が始まってからでは動かせません。

なお、NOMERAでは顧問契約の範囲内で、融資や補助金の計画書(経営計画・事業計画等)の添削まで対応しています。

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この事例に関するFAQ

Q. 個人事業から法人成りした場合、創業融資は使えないのですか? 制度によります。公庫の創業期向けの優遇は「新たに事業を始める方または事業開始後税務申告を2期終えていない方」が対象なので、条件を満たせば法人成りでも使えます。

一方、自治体の制度融資などでは「事業を営んでいない個人が新たに事業を始める場合」を対象にしているものもあります。取扱いは金融機関や自治体によって違うので、申込先ごとに確認してください。一つで断られても、別の枠組みや別の金融機関で調達できることはあります。

Q. 信用情報は自分で取得できますか? できます。指定信用情報機関に開示請求すれば確認できます。機関は複数あり、手続きも手数料も機関ごとに異なります。金融機関も審査の過程で確認するため、先に自分で見ておくほうが有利です。

Q. 融資の申込は税理士が代行できますか? 申込そのものは本人が行う必要があります。税理士が担うのは、試算表や決算書の準備、計画書の内容の詰め、金融機関とのやり取りの補助です。

ご相談について

NOMERAは、受託開発・SES・広告・ECなどデジタル領域の企業に特化した、東京・西新宿の会計事務所です。オンラインで全国対応しています。

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UPDATE

内容は掲載時点の制度・実務に基づきます。制度改正があった記事は更新日を改めて記載します。
佐久間 元気

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佐久間 元気

代表 / 税理士・公認会計士

公認会計士試験合格後、PwCを経てNOMERA会計事務所を設立。月次の数字を経営判断につなげ、税務・労務・法務・融資までを一つの窓口で整理する体制を設計

税理士登録番号:149427 / 公認会計士登録番号:043719

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